平面研削は、研削したり、磨いたりして製品の精度を高め、完成品を仕上げる工程です。製造業関連だった前職では、マシニングや工具を使って切削する機械加工に携わっていました。それに対して転職したビットは、工具をつくる会社。前職時代の経験から多少なりとも自信は持っていたのですが、大量生産の前職に対しビットは多品種少量生産で複雑な形状の工具をつくることも多く、求められる精度が全く異なります。前職で得た知識・技術を生かしつつ、日々新たな発見ができる環境です。

入社当時は当然、初めてのことばかり。寸法誤差を少なくし、安定した品質をいかに生み出せるかがテーマで、それを達成することがやりがいでした。３年目頃になると、リピート品を手掛ける機会も増えていきます。段取りや治具の活用法など、最初に担当したときよりも確実に効率的に仕上げることができ、自分の成長を実感。今は平面研削部門の責任者として、部下たちの成長にもやりがいを感じています。

 

世代によって育った環境や教育のあり方も異なっていますから、指導方法も従来の価値観に基づいたやり方ではうまくいかないことも多いと感じています。私が新人の頃、自分なりに考え、答えを導き出せるよう、上司の方とコミュニケーションを図りながら仕事に取り組んでいました。ところが、近年はなかなか自分から自主的に考えていく習慣が根付いていないような人も多いようです。だからといって、最初から最後まで全てを丁寧に説明してしまっていては成長がありません。そこで、部下へは仕事を丁寧に説明しながらも全てを明らかにせず、自ら考え気付くことができるよう誘導するような指導をしています。口で言うほど簡単ではありませんが、そうやって一人一人の成長を促すことで、全体の底上げを図っていきたいと思っています。

私は高校や専門学校で途中で挫折し、その後も２社を中途退職するなどの経験を経て、「リセットしよう。20代のうちに精いっぱい頑張ろう」と決意してビットに入社しました。部下には途中で投げ出すことをしてほしくありませんので、自分の経験や失敗を踏まえたアドバイスをしています。